サワードウブレッドの作り方 捏ねないパンのレシピ・改善版

自家製酵母で作るパンの中でも、最もシンプルな材料からできているサワードウブレッド(sourdough bred)。

小麦粉とお水のみで起こしたサワードゥ種(酵母種)からパンを作りますが、いわゆる天然酵母パンの中種からの作り方とほぼ同じです。

今回は少しレシピや工程を改善して作りましたのでご紹介します。

サワードゥブレッドの作り方の基本

サワードゥブレッドとは、天然酵母パンお一種で、小麦粉とお水で起こした酵母で作るパンのこと。

日本で定着している天然酵母パンの中種法の「中種」の違いで、ざっくり言うと

小麦粉+酵母液=天然酵母

小麦粉+お水=サワードゥ

と呼び分けがされている傾向があるようです。

どちらも天然酵母パンに違いはありませんし、ハッキリとした区分けがあるわけでもありません。

サワードウについて詳しくはこちらをご覧ください。
>>サワードウと天然酵母の違いは?スターターの作り方とパンのレシピ

サワードウブレッドの作り方の流れ

サワードゥブレッドの作り方の流れは、天然酵母パンと同じです。

サワードウのスターターを作る(5日~1週間)
→ 材料を混ぜる
→ 一次発酵(発酵の速度により2時間~12時間以上)
→ ベンチタイム
→ 成型
→ 二次発酵(40分~1時間)
→ 焼成

一次発酵は気温や酵母の強さ、材料などによって変わってきますし、冷蔵庫であえて発酵を遅くすれば丸1日かかる(丸1日かける)こともあります。

では、具体的なレシピと工程です。

サワードゥブレッド 捏ねいレシピと作り方

サワードゥブレッドと言っても作り方は色々あるのですが、今回は「捏ねないパン作り」の工程をご紹介します。

パン生地を捏ねないのでホームベーカリーやドゥミキサーは不要です。

捏ねないサワードウブレッドの材料

まずは材料です。

サワードゥブレッドの材料
サワードゥのスターター(中種) 100g
準強力粉 250g
お水 180g
塩 小さじ1(5g)

スターターは冷蔵庫に入っていた場合は、前日または作り始める1~2時間前までには冷蔵庫から出して常温に戻しておきます。

準強力粉ではなく、強力粉100%、強力粉80%:薄力粉20%、または全粒粉やライ麦粉を混ぜてもいいので、お好みで配合を変えてみて下さい。

捏ねないサワードゥブレッドの作り方

サワードウブレッドは捏ねないで作りますが、一次発酵終了までに何回かに分けて生地を伸ばし混ぜていきます。
では、順番に見ていきましょう。

1、大き目のボールにお水とスターターを入れてお箸や泡だて器、フォークなどで混ぜます。(白い液体になります。)

2、小麦粉を入れて粉がなくなるまで混ぜます。

サワードウブレッドの作り方 捏ねないパンのレシピ・改善版
少しベチャっとしていますが、粉気がなくなっていればOK

3、軽く丸めたら、生地が乾燥しないようラップや濡れ布巾で蓋をして置きます。

4、1時間後、塩を入れて生地を混ぜます。

生地の混ぜ方
生地の横から底にヘラを入れて生地を持ち上げ、ビューンとできるだけ高く伸ばして丸めた生地の上に置きます。

サワードウブレッドの作り方2
底からすくって引っ張るように高く上げて
サワードウブレッドの作り方3
生地に被せるように、端を反対側に置きます。

これをボールを回しながら繰り返してぐるっと3周ほどします。

サワードウブレッドの作り方4
まだ少しベチャッとはしています。

ラップまたは濡れ布巾で蓋をして30分ほど置き、再び生地を伸ばして丸めます。

サワードウブレッドの作り方5
生地が滑らかに、伸びが良くなってきました
サワードウブレッドの作り方6
同じように繰り返して1周します。
サワードウブレッドの作り方7
2回目は更に弾力が出てツヤが出てきます。
サワードウブレッドの作り方8
表面もだんだん滑らかになってきました。

これを順番にボールを回しながらぐるっとひと回り、2周り、3周りほどしてまとめたらまた蓋をして30分置きます。(時間はだいたいで大丈夫です。)

5、「生地を伸ばして1周→30分置く」を後2回ほど繰り返します。

最初はべチャッとしていた生地に弾力とツヤが出てきて、徐々にまとまってきます。

6、きれいにまとまったら蓋をして2倍の大きさに膨らむまで発酵させます。

発酵時間は、温度や酵母の発酵の強弱によって違いますが、2時間~が目安です。6時間経っても全く膨らまない場合は酵母がかなり弱いか何らかの理由で発酵に失敗している可能性があります。その場合はこちらをご参考に!
>>天然酵母パン一次発酵で膨らまない!時間の目安と見極め方法

7、生地が2倍に膨らんだらボールから出して、手で軽く叩いて中の空気を出します(ガス抜き)。

8、表面を張るように生地を丸めて閉じ目を下にして置いたら、濡れ布巾を被せて20分~30分ベンチタイムを置きます。

9、ベンチタイムが終わったら生地の表面を再度張るように丸め、裏側をしっかり閉じてバヌトン型に入れます。

※閉じ目が上に来るように入れます。

バヌトン型が無い場合は、籠やボール、どんぶり鉢などでもいいです。
その場合は器とパン表面にしっかり小麦粉を振るか、粉を振った布を器の中に敷いておきます。生地を直接入れると、二次発酵の途中で生地が器にくっついて、取り出す時に生地の表面が破れることがあります。

サワードウブレッドの作り方9
試しにバヌトン型ではなく、丼鉢に直に入れてみました。粉振り過ぎ感、、、

10、型に入れたら濡れ布巾を被せて二次発酵。

二次発酵は天然酵母だからと言って何時間もかかるわけではなく、通常と同じか少し長めの40分~1時間くらいを目安にするといいです。

※オーブンの予熱時間も考慮しておきましょう。

11、生地が一回り大きく膨らんだら、250度に予熱したオーブンに入れて焼きます。

サワードウブレッドの作り方9a
スッとナイフを入れます

クッキングペーパーを乗せて型をひっくり返して生地を出します。
クープ(開き目、切れ目)をナイフで入れ、生地にたっぷり霧吹きをしたら250度に予熱したオーブンの一番下の段に入れます。

※オーブンは天板ごと予熱して下さい。

12、250度で15分、200度で15分焼いたらOKですが、色濃く焼き目を付けたい場合はさらに10分ほど焼いて下さい。

クープが開かない時、ぱっくりクープを開かせるには

クープがうまく開かない、どうしてもぱっくり大きく割れない、と言う時の対処方法です。

クープを開かせるためにボールを使う方法

最も効果が高いのは、生地をオーブンに入れたらボールなどで生地に蓋をして焼く方法です。

この方法だと、パン生地の周りに蒸気がこもるので、その結果クープが開きやすくなります。

方法は以下の通り。

サワードウブレッドの作り方10
予熱後に取り出しやすいよう上向きに置きます

予熱の時にステンレス製のボール(生地が膨らんでも余裕がある大きさ)も一緒にオーブンで温めます。

生地を入れる直前にボールをオーブンから出し、生地を天板に乗せてすぐボールを上から被せます。

サワードウブレッドの作り方11
この中にパン生地が入っています

250度で15分焼いたらボールを外して、オーブンの温度を200度に下げて更に15分焼きます。

ボールは耐熱性ガラスのものでもステンレスでも大丈夫ですが、かなり熱くなるので火傷に注意して下さい。

クープを開かせるためにボール以外を使う方法

ボール以外で代用できるものは、

1、鍋 

お鍋を使う場合は、蓋としてではなく、お鍋の中に入れて蓋をして焼きます。

ダッチオーブンやル・クレーゼなど、必ず取っ手や蓋も耐熱でオーブン可なものを使用して下さい。

2、天板 

もし予備の天板があるなら、上の段にも1枚逆さまに入れて、生地を挟むようにします。

ボールやお鍋ほどではありませんが、天板が低いほど蒸気の逃げ道が少なくなります。
この場合も、蓋用の天板も一緒に予熱して下さい。

クープを開かせるためのその他の方法

先ほどのボールやお鍋を使う方法は焼く時の温度や湿度調整のためでした。

もっと簡単な方法は、クープの切れ目にオリーブオイルやバターを塗ること。

これが意外にも簡単に開いてくれました。

クープがぱっくり開かずお悩みの方は一度試してみて下さい。

サワードゥブレッドの美味しい食べ方とアレンジ

サワードゥブレッドは名前の通り、酸味が効いているのが特徴でもあります。

種の発酵の具合により酸味の強さは違いますが、暑い季節に発酵させるとどうしても酸味が強くなる気がします。

そのまま食べてもいいですが、軽くトーストして、バターやオリーブオイルで食べても美味しいです。

酸味が気になる方はクリームチーズがおすすめです。
クリームチーズも酸味があるのですが、パンを上回る酸味なのですごく合います。

ハムやトマト、マヨネーズ、ジャムとの相性も良いです。

逆に、サワードウブレッドと合わないと思うのはチョコレート系の甘いものでしょうか。

ただ、いずれも個人的な好みなので、お好きなもので試してください。

サワードウブレッドの作り方 捏ねないパンのレシピ・改善版 まとめ

天然酵母パン全般に言えることですが、噛めば噛むほど味が出てくるところがいいですね。

パン作りに使った酵母の残りはそのまま冷蔵庫で保管し、次に使いたい時の前の日くらいに種を足しておくといいです。

もちろん種を足してから保管してもいいですが、私は活性化させるためにも前日に足しています。

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