サワードウと天然酵母の違いは?スターターの作り方とパンのレシピ

自家製天然酵母パンを作るようになると、一度は耳にしたことがあるサワードウ。
はて?サワードゥとは何なんでしょうか。
サワードゥと天然酵母は違うのでしょうか?

そんな気になるサワードウについて、詳しい解説と、酵母の作り方やパンのレシピをご紹介します。

>>天然酵母の始め方。パン作り初心者が自宅でできる方法です

サワードウと天然酵母の違いは?

サワードゥと天然酵母はどう違うのか。

実はサワードウは天然酵母の一種なんです。

サワードゥとは
英語でsourdough。
小麦粉やライ麦粉とお水を混ぜて作ったパンの酵母となる種のこと。
天然酵母の作り方で紹介したのは、フルーツで酵母液を作って、それを水分として小麦粉と混ぜる方法でしたが、いわゆるサワードゥは普通のお水を使います。

サワードウを元にして発酵させたパンをサワードウ・ブレッド=sourdough breadと呼びます。

英語で sourdough bread と言えば、天然酵母で作られたパン全般を指すこともあります。
※フルーツ酵母から作った中種や手法に限らず、天然酵母全般のことをサワードウ(sourdough)、natural yest や wild yest などと呼ぶことがあります。

サワードウは、ヨーロッパでのパン作りの元々の手法、古くからの伝統的手法で、インスタントドライイーストが出る前はヨーロッパでパンと言えば、このサワードウを元種にして作られていたと言われています。

今でも、特に北欧でライ麦パンと言えばサワードウと考える人も多いみたいですね。
ちなみに、

など、地域や作るパンに寄って酵母の種類や呼び方が違います。
(例えばルヴァンはフランス語で「発酵種」という意味なので、言葉がそのままその地域の発酵種と知られていることもあります。)

この名前の酵母は絶対コレ!といった定義があるものもあれば、昨今は曖昧になってるものもあるので、天然酵母の呼び方だとざっくりと知っておくといいですね。

サワードウのスターター元種の作り方

では、サワードウのスターター、つまり元種、中種を作ってみましょう。

スターターとは、その名の通り、発酵種を最初に起こすことで、パン種の一部となる、パンの発酵の素となる酵母の状態にすることです。

マザー・スポンジと呼ばれることもあります。

サワードウの作り方

サワードウの材料と作り方です。
人によって違いがありますので、絶対これというわけではありません。

用意するもの
用意するもの
・消毒した広口瓶
・消毒したお箸やスプーン
・お水(飲めるものなら水道水でも市販の飲料水でも可)
・強力粉またはライ麦粉、全粒粉。
瓶は、少し大き目、400mlくらい入るサイズがいいです。
煮沸のしやすさや、後の保存のことを考えると、広口瓶を使用するのが最も使いやすいですが、瓶でなくタッパーやボールでも作れます。

作り方
1、消毒した瓶に、強力粉を100gと、常温のお水100gを入れて混ぜます。
(あまりに寒い冬場はお水をほんの少し温めてもいいですが、ひと肌以下の温度にしてください。)

2、綺麗に混ざったら、フタを上に乗せて暖かい場所に置いておきます。
フタはきっちり閉めず、上に乗せるだけでいいです。
ラップしてフォークで穴を開けておいてもOK

3、半日ほど置いたら、上から強力粉50gとお水50gを足して合わせてよく混ぜます。

4、3を3回から5回繰り返すと徐々にブツブツと泡が出て発酵してきます。
その頃には酸味の効いた匂いがしてきます。

5、3時間ほどで倍くらいの量になるほど活発になってきたら完成なので、後は冷蔵庫で保存しておきます。

注意!パン作りに使用するときは、必ず常温に戻してから使います。

使用するのが普通のお水か酵母液かの違いはありますが、方法はこちらと同じです。
>>自家製天然酵母の作り方、天然酵母液からパン種を起こすまで2

※発酵の早さや度合は気温や環境によって大きく変わってくるので、上記の方法はあくまで目安としてください。
3回目以降も全く変化が見られない場合は、お砂糖や蜂蜜など糖分をひとつまみ足してみてください。

※粉と水の量は分かりやすいように同量にしています。慣れてきたら粉の状態により多少調節して下さい。

※種がドロッとしてきたり、ツーンと鼻につくようなアルコール臭がした場合は失敗です。

失敗かな?と思ったらこちらをご参考に
>>天然酵母作りの失敗から学ぶ原因と対処法 酵母液と元種

サワードウの管理の仕方

サワードウ種の入った瓶は、ふたを乗せて冷蔵庫に入れておきます。

「蓋を乗せる」っていうのは、ちゃんと閉めないってこと?

生地が乾燥してしまうので蓋は必要なんだけど、密閉してしまうと瓶の中に余計なガスが溜まってしまうの。

それが腐敗したりアルコール化してしまう原因となるのね!

そして、使わない場合でもできれば毎日、せめて2日に1度は全体をかき混ぜます。
こうすることで、新しい空気と入れ替え、菌を活性化させます。

ちょっと元気が無いな、と思ったら、新たに継ぎ足しをしたり、お砂糖や蜂蜜などの糖分をほんの少し加えて混ぜてもいいね。

継ぎ足しの時に、酵母液を混ぜるという手もあるよね!

酵母種を1週間以上使用しないときは冷凍保存も可能と言われていますが、私はやったことがありません。

なぜなら、常温に戻すのに時間が掛かるし、それなら一から元種を作った方がいいかな、と思っているからです。

ただ、急に使いたくなった場合の予備として、または種を使い切れず当分パン作りしないといった場合は冷凍保存してみるのもいいかも知れません。

サワードウの元種の継ぎ足し方

サワードウの元種は、継ぎ足して使うことができます。

例えば、元種を100g使用したら、水50g、強力粉50gを足して混ぜ合わせます。
150g使用したら、お水と強力粉を75gずつ足して混ぜ合わせます。

使った分だけ継ぎ足していけばいいのね!老舗ラーメン屋のスープみたい。

きっちりと管理していれば、1年どころか、何年も使い続けることができるよ。ただ、雑菌が増えたり酸味が強くなることもあるので、滅多に使わないようなら新しく使った方がいいかな。

元気が無いなと思ったら、お砂糖や蜂蜜などの糖分をを一つまみ入れるか、お水の代わりに酵母液を使用してもいいでしょう。

サワードウの元種の使い方

サワードゥの元種を使ってパンを作る場合は、これを酵母・イーストとして使用するのですが、
天然酵母用のレシピでなくてもアレンジすることができます。

もちろんインスタントドライイーストは使いませんので、それは丸ごと省いて、
強力粉などの粉類、お水や牛乳などの水分から、それぞれ同量の分量を減らしてサワードゥの重さに充てます。

例えば、

サワードゥを100g使用する場合、
レシピの粉類の分量から50g、水分から50g減らします。

・強力粉 300g
・水 150g

のレシピなら

・強力粉 250g
・水 100g
・サワードゥの元種 100g

で作るということですね。

※今回は元種を、粉と水分と同量で作っているから上記のように分けるのですが、これが粉:水=6:4で作っている場合は粉を60g、水分を40g減らすということになります。

サワードウを使用する分量は、作りたいパンの食感や味、発酵の早さ、酵母の強さなどによって調整するといいのですが、慣れないうちは、規制のレシピを使用するか、粉の3割程度の重さをサワードゥにするといいでしょう。

では、サワードウ発酵種から実際にパンを作ってみましょう。

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サワードウと天然酵母の違いは?スターターの作り方とパンのレシピ まとめ

サワードウも天然酵母も扱いは同じです。

どっちがこう、という括りに捕らわれず、例えばサワードウの元種でも少しフルーツ酵母液を足して発酵を促してみたり、調整してみてもいいと思います。

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